映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「カーテンコール」監督・佐々部清 at シネリーブル神戸

山口県下関出身の香織(伊藤歩)は、東京の出版社でキャメラマンとして働いていたが、
自らの取材のせいで取材対象者を自殺未遂に追い込んでしまう。
ほどなく左遷されるが、やがて故郷に近い福岡のタウン誌に配転される。
そこで知った1950年代に地元の映画館で活躍した、幕間芸人・安川(藤井隆)を取材するうち、
彼とその家族が辛酸を舐めた在日韓国人差別の歴史に突き当たる…というお話し。
ここのところ連投の佐々部監督、故郷を舞台にするのはデビュー2作目「チルソクの夏」('04)以来2本目、
そして在日韓国人差別の問題は「チルソク」と同じ、とよほどのこだわりがあられると見た。
脚本・演出は実に懇切丁寧、説明し過ぎる嫌いもないではない。
劇場閉館の最後のショーにかたくなに駆けつけない安川の娘(鶴田真由)が、その後済州島で父を捜す、
というのはどうも感情の繋がりが読めない。
父と再会する韓国の寺のカットに、これが撮りたかったのだろうとの想像はしたが。
出番は少ないが映写技師役の福本"サイレントサムライ"清三が素敵だった。

カーテンコール [DVD]

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