スオフ(ジェイク・ギンレイホール)は、アメリカ海兵隊に志願入隊、過酷な訓練に耐え、狙撃兵として抜擢される。
そして1990年、クゥエートにイラクが侵攻、彼の所属する部隊はクゥエートの砂漠へと派遣される。
が、一向に出撃命令は下らず、何ヶ月も殺風景な砂漠で足止めを喰らい、中には精神に異常をきたす兵士も現れて…というお話し。
退屈な戦争、いや戦争以前の状態における人間模様を描く難しい演出術を要求されたのは英国人サム・メンデス監督。
冒頭の訓練シーンは「フルメタル・ジャケット」('87)のコピーだがここは外せないだろう。
クゥエートへ渡ってからは、朝鮮戦争の前線が舞台の「M☆A☆S☆H」('70)のようにシニカルに…とはならない。
砂漠での時間は停滞し、エピソードは限られて来る。
この湾岸戦争における退屈地獄は尋常ではない。組織論としての軍隊、戦争の不条理というありがちなテーマを脇に置き、
ひたすらいち兵士の主観を描くことに腐心することで映画的密度を濃厚なものとした。
そしていざ開戦、イラク軍の敗走により兵士は一発の銃弾も発することなくたった4日で終戦となる。
そしてこの11年後、アメリカとイラクは退屈とは正反対の地獄にいるのだということに思いを馳せることは容易いだろう。
退屈を退屈ではないように描く、という禅問答のような命題をこなしたメンデス監督は天晴れ。
下士官役のジェイミー・フォックス、流石の名演。
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