映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ラフ」監督・大谷健太郎 at 東宝関西支社試写室

あだち充の同名漫画の映画化。ヒロイン長澤まさみを巡る二人の男の恋の鞘当ては、いつもながら幼いタッチのあだち充の十八番だが、それをポップなカッティングで導入からサクサク見せて行く大谷監督の技量が冴えている。音声をフラットにして間合いを充分取るアニメ調の会話も確信犯、その筋のファンもお喜びだろう。
しかし何より長澤まさみの魅力が爆発、「おにいちゃん」と慕う男(婚約者らしい)から、速水もこみち君に「乗り換える」シーンのスリルとエロスは見事、そのままラストの名台詞までの畳みかけ方に胸が熱くなった。
実績が認められ堂々「東宝映画」が撮れる晴れがましい気持ちは大変良く理解出来るものの、「若大将」へのオマージュは最早古めかしい。しかし、それとは関係なく演出技術の集大成として感服した。田丸麻紀好演、久しぶりに爽やか青春映画、お勧め。