映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「LOFT」監督・黒沢清 at テアトル新宿

美しい、そして実にキマっている構図のルックと斬新な編集スタイル、黒沢監督が「見つけたい、何か新しい映像表現」を渾身で模索しているのが痛いほど伝わって来る。が、豊川悦司中谷美紀を伴って暴風の中、死体を探さんと土を掘り返すシーンで、あれ、と思いとどまる。この不自然に大仰な演技、突然古めかしいハリウッド調の劇伴音楽…ハリウッドB級ホラーか、ヒッチコックか、何かそういう映画群のパロディをやりたいのだろうかとこちらの脳内の映画進行コードが混乱させられる。多分確信犯と思われるが。そして混乱は困惑となり、ラストのあの豊川悦司の顔と叫び声はパロディを通り越してギャグと受け止めた。考え過ぎて、ねじれ過ぎて、遅れて来た鈴木清順みたいな印象。あ、そうだ清順監督の「木乃伊の恋」('70)じゃないのか?