映画和日乗

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「歓喜の歌」監督・松岡錠司 at シネカノン神戸

立川志の輔師の新作落語が原案。「のど自慢」('99)「フラガール」('06)と、シネカノン作品の延長線上にあるストーリーだが、登場人物のバックボーンを丁寧に描きつつ、それがストーリー展開にちゃんと絡んでいる構成が素晴らしい。それぞれがささやかな夢の置き場所を懸命に守っている様は感動的だ。アッパークラスのコーラスグループをステレオタイプな厭味で見せず、由紀さおりを人格者にしている案配は流石。言わずもがなだがその由紀さおりが朗々と歌うとやっぱり圧倒的。
モノレール、ファミレス、土屋由美子筒井道隆…と松岡監督の「バタアシ金魚」('90)「きらきらひかる」('92)のセルフカバー的要素が(松岡ファンには)楽しい。お勧め。

歓喜の歌 [ 小林薫 ]

歓喜の歌 [ 小林薫 ]