映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン」監督・侯孝賢 at 第七藝術劇場。

何とも言えないタイトルだが、台湾の侯孝賢監督が何故かフランスに招かれてつくった最新作、ややグリーンがかったノスタルジックなルックで始まるパリのメトロの出入り口。ゆっくりとたゆたう赤い風船。見つめている子供。この子供の母親(ジュリエット・ピノシュ)が子守りとして中国人の留学生(ファン・ソン)を雇う。この母子と子守りの日常。母親は中国人形劇に夢中、何故か家にはいろんなボーイフレンドがやって来る。子守りは赤い風船と子供をモチーフにビデオカメラを回す。この先一体どうなるのだろうか、というスリルは全くなく、脚本構成上での仕掛けもない。東京が舞台だった「珈琲時光」('03)でもそうだったが、外国にやって来た異邦人として実に素直に、楽しそうに、好きなようにキャメラを回している風情だ。それでいて爽やかな印象が残る。