映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ジュリー&ジュリア」監督ノーラ・エフロン at シネリーブル神戸

 戦後間もないパリ、米国外交官の妻ジュリア(メリル・ストリープ)は夫の赴任先パリでフランス料理に目覚める。一方2002年のNY。ジュリー(エイミー・アダムス)は9.11テロに関する問い合わせテレフォン・アポインターの仕事でストレスが溜まっている。同級生達の上昇志向にもついて行けないジュリーは、かつてジュリアが記した膨大な数のフランス料理のレシピを実行し、ブログに連載することを思いつく、というお話し。
メリル・ストリープの甲高い声のオーバーアクトに違和感を感じるが、この動画を見て得心がいく。
 つまり、実在のジュリア・チャイルドのモノマネをしていたのだ。このことによりメリル・ストリープがあらためてスーパーな女優であることが分かる。このジュリア・チャイルドという人、アメリカの料理研究家であり、テレビ料理番組のパイオニアであるらしい。本作の中でダン・エイクロイドが彼女のモノマネをする悪趣味なコント番組は実際のもの。彼女の米国に於けるポピュラーぶりが伺える。
 さはさりながら。ひとつひとつのエピソードは平凡でどうということはなく、リアル感よりは都会的ファンタジー、悪く言えば日本のテレビドラマ的。ノーラ・エフロンという女性監督の、あまりに理想的な男性像は才能の限界を感じざるを得ない。ブログが当って有名人!ああハッピーだわチャンチャン、という「既婚30代女性の絵に描いたような理想的人生設計」に「はいはいそれがどうした」と思ってしまうのはこちらが40代男性だからか。
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