映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

「月に囚われた男」監督ダンカン・ジョーンズ at シネリーブル神戸

近未来。地球は、月の裏側で採れる鉱石をエネルギー源としている。月での鉱石採掘場にたった一人赴任しているサム(サム・ロックウェル)。契約は3年、相棒はコンピューターのガーティ(声:ケヴィン・スペイシー)だけ。妻の夢ばかり見、女性の幻覚まで現れるほど神経は参っており、帰国する日を指折り数えている。ある時、作業中に幻覚を見て事故を起こしてしまう。事故から目覚めたサムは、不思議な体験をする…というお話し。
あまり予備知識無しにご覧になることをお勧めしたい。上記のストーリーもやや曖昧に表現したつもりだ。
最早月面着陸など教科書に載る歴史となった現代、月に赴任というのもなんとなくクラシックなイメージなのだが、宇宙船やらその内部のセットデザインも全てクラシックなSF映画の雰囲気をたたえている。「2001年宇宙の旅」('68)は言うに及ばず、「アンドロメダ…」('71)や「カプリコン・1」('77)なども想起させられる。ただこの鉱石採掘企業が韓国の会社という点は今風。10年前なら日本だっただろう。
閉塞感と退屈そして孤独に支配された「月での生活」に、見ているこちらも気が滅入り始めた頃からストーリーは意外な展開を見せる。少しだけ書けば、「ブレードランナー」('82)や「A.I」('01)ではレプリカントだったのがここではクローンなのだ。ひねりの効いた展開に「その手があったか」と感心する。
監督はかのデヴィッド・ボウイの息子とのこと。そうか、ならば「地球に落ちて来た男」('76)の落とした才能でもある訳だとマニア的にほくそ笑む。
佳作、お勧め。

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