映画的日乗

映画、食、人。西に東に。

「キック・アス」監督マシュー・ヴォーン at ヒューマントラストシネマ渋谷

舞台はNY。母親の急死で父子家庭、女の子とは縁もなくしばしばカツアゲにも合ってしまう気弱な青年デイヴ(アーロン・ジョンソン)は、ネット通販で買ったコミックヒーローもの風のコスプレスーツを着て街に出る。たまたま出くわしたチンピラグループの逃走劇に巻き込まれた様子が野次馬にケータイビデオで撮られ、YouTubeにアップされてしまい一躍人気者に。デイヴは自らをキック・アスと名乗る。一方、大量の兵器や銃器を収集している漫画家デーモン(ニコラス・ケイジ)と特殊な訓練を施された娘ミンディ(クロエ・モレッツ)はNYマフィアのダミコ(マーク・ストロング)一家に深い恨みを抱いており、ダミコの犯罪に巻き込まれそうになったキック・アスを助ける。ミンディは紫色のウィッグと仮面を着けてヒット・ガールと名乗り、鮮やかな拳銃さばきとナイフでダミコ一家を次々と殺して行く…というお話し。
伏線がビシバシ効いた脚本、構成の素晴らしさ、勧善懲悪の予定調和コミックヒーローものの限界を鮮やかに越えたなりきりヘタレ君と倫理感無視の美少女アクションの融合。ネタが尽きかけたアメリカ映画の反逆的コケの一念、底力。
1971年生まれの英国人監督マシュー・ヴォーンの映画愛もシビれる。「夕陽のガンマン」('65)のテーマ曲の絶妙、ヒット・ガールが転がしている武器の入ったキャリーバッグは正しく「続・荒野の用心棒」('66)のアレだろう。ほかにもペキンパーやら「ローリング・サンダー」('77)のラストの台詞やら、007やらジョン・ウーやら多分もう一度見たら更に発見できるかも知れない過去の映画へのオマージュの塗り込み方は長い間映画を見続けて来て良かったと思えるほどの連帯感を感じる。ブルーレイ出たら買う、早くも続編の製作が決定、待ちきれない。
気分爽快大傑作、必見。但しアナタがまだ中2スピリットを忘れていないなら。

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