映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「瞳の奥の秘密」監督ファン・ホセ・カンパネラ at パルシネマしんこうえん

 1974年の政治が混乱している時代のアルゼンチンとその25年後を交差させながら描かれるミステリー。
 美しい人妻の暴行殺人事件の犯人を追う刑事裁判所員ベンハミン(リカルド・ダリン)とアル中の相棒パブロ(ギレルモ・フランチェラ)。一年後犯人逮捕にこぎ着けるが物証はない。二人の上司イレーネ(ソレダ・ビシャミル)は機転を利かせた心理作戦で犯人を自白に追い込む。が、暫くして被害者の夫、リカルド(パブロ・ラゴ)は偶然テレビで大統領の警護をしている犯人を目撃する。あろうことかベンハミンを嫌う軍事政権の役人によって釈放されていたのだ。そしてパブロがベンハミンの身代わりに惨殺される。ベンハミンは権力に屈して事件を封印してしまい、自信喪失。思いを寄せていたイレーネに何も告げられず裁判所を去る。25年後。ベンハミンはイレーネを訪ね、あの殺人事件の真相を小説にすると言う…というお話し。
アルゼンチンの軍事政権時代の無茶苦茶さと、古いラテン男性特有の気質がこの映画の重要なファクターとなっており、それらは現代に於いてはちと理解し難い行動様式ではあるが、そういう時代が存在したという事実は重い。ミステリー仕立てなので「真相」は伏せるが、私は途中から想像がついた。サッカースタジアムのチェイス描写はどうやって撮影したのだろうか、息をのむ迫力。
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