映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「阪急電車」監督・三宅喜重 at 東宝関西支社試写室

 有川浩の同名小説の映画化。このタイトルで阪急今津線が舞台、阪急神戸線が舞台だった拙作「She's Rain」と同じ岡田惠和が脚本とは縁を感じないでもない。その岡田脚本は実に巧みに原作の時系列をアレンジして見易い展開にしている。私とほぼ同世代'66年生まれの三宅監督、冒頭の人物紹介に於けるストップモーションの使い方に「ヒポクラテスたち」('80)の影響を見たのは私の思い込み過ぎか。
 エピソードとしては勝地涼谷村美月の非阪神間コンビが面白い。CGアニメの使い方はセンス良し。もともと原作がネイティブな阪神間の匂いが薄いものだが、それにしても車窓の風景の無機質さはそれだけが理由ではなく、阪神淡路大震災後の街並の劇的な変化をあらためて感じさるを得ない。その分、三宮やハーバーランドのロケで空間を広げる工夫がされているようにも思った。芦田愛菜って神戸出身なのね。道理で。

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