ナタリー・ポートマンは本作で2010年度オスカー主演女優賞。バレエ団に於ける主役を巡る女同士の争い、大映ドラマのような筋立てかと思いきや途中からしばしば大きい衝撃音でのオドシとホラー映画並みの変化(へんげ)ぶりで映画のジャンルが途中から切り替わる。しかしこれはクリーチャーや幽霊によるホラーではなく、精神医学で言う強迫観念、強迫性障害による幻覚であることがすぐわかる。この辺りが新味。バレエレッスン場でのめくるめくキャメラワーク、自然光を用いて小振りなキャメラで動き回っている。ザラついたやや荒れたルック、スペックは恐らくスーパー16ミリだと思われる。演技もナチュラルな言い回し、話しは大げさなのに徹底してリアリスティックに見せて行くアロノフスキー演出。そしてナタリー・ポートマン、一世一代の頑張りを見せたブラック・スワンのダンスはちょっと感涙してしまうほど。ザラついていた画面が最後の最後恐るべき美しさへと結実する瞬間を堪能するには、出来るだけ大きな劇場(*TOHOシネマズ六本木7番スクリーンは素晴らしい)のスクリーンでご覧になることを強くお勧めする。佳作、お勧め。
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