ダニー・ボイル監督「スラムドッグ$ミリオネア」('08)オスカー受賞後の凱旋第1作。実話、それも結末は知られている話しを再現ドキュメンタリーではなく劇映画とした。実際再現ドキュメンタリーとしての企画は存在したらしい。結論から言うと「ドキュメンタリーで良かったのではないか」。岩山の裂け目に落ち込み、左腕を巨大岩に挟まれた為に127時間身動き取れなかった男。ナイキのCMの如くどんなにカットを細かく繋ぎ、アングルを工夫したところでこの延々と続くアーロン(ジェームズ・フランコ)の孤独と苦痛との闘いを見せられるのには限界があり、彼がしばしば見る過去の想い出と幻想も小市民的な域を出ないので観る側の退屈をしのいではくれない。
で、話題の一部観客が気絶するほどの「痛い」シーン。長らく大量の映画を見て来たが確かに痛さでは随一だろう。音の使い方もひどく神経に障る。実話とはいえ致死に達するほどの出血に至らなかったというのは素朴な疑問だけれど。
TOHOシネマズ梅田、この映画はデジタル上映されている。デジタル撮影された映画をデジタル上映するとなるほどこんなに鮮やかかとそのルックには驚嘆した。
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