映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「温泉こんにゃく芸者」監督・中島貞夫 at シネマヴェーラ渋谷

1970年東映作品。
1971年に大映破産、日活はロマンポルノへとなる日本映画全体がしんどい時代、東映もまたこんな企画でしのいでいたんだなと脱力感漲る内容。
舞台は何と金沢と片山津。こんにゃくによる回春を大真面目に研究する殿山泰司が里子として引き取った娘(女屋実和子)を売ってまで本懐を遂げるというアホみたいな話し、脚本も途中から支離滅裂、殿山の悲願が「こんにゃく風呂」完成というのも訳が分からない。中島監督はそれでもカネミ油症事件のニュース音声をさりげなく聴かせ、この馬鹿馬鹿しさに本気になりきれない生真面目さを垣間見せる。
上田吉二郎の危篤に駆けつける菅井きんと子供達がバスから飛び降りるスローモーションが唐突なまでにスタイリッシュで笑ったが。


にほんブログ村 グルメブログへ
にほんブログ村