映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ステキな金縛り」監督・三谷幸喜 at TOHOシネマズ西宮OS

三谷幸喜監督第5作。
封切り1週目の祝日、朝1回目で満員だ。三谷幸喜ブランドはかつての伊丹十三ブランドに匹敵するのであろう。普段は「泣きたい」客もこのブランドに対しては「笑いたい」のである。しかしコメディと銘打っていて2時間22分という尺は不当である。2時間を切るのが品位というもの。客が中座してトイレに行くよりも中座せずにきちんと見てもらう方が良いと思うのだが。もしかしてそこまで計算してトイレタイム的「ダレ」も切らずに残しているのか。しかも観客の生理よりは芸能界事情というか、多士多彩かつ豪華ゲスト出演者を「切れない」という事情が優先している。誰とは言わないが明らかにそこにいなくてもいい人がいたりして、プロデューサーの深謀遠慮が浮き彫りになるという極めて日本的な映画とも言える。スケジューリングしたチーフ助監督と製作部は神業。別の戦争映画で坊主頭になっている為に不自然なヅラを着けている人、事情を推測すると笑えない。
とはいえ5作目の三谷監督、近作の無理矢理なストーリー展開を一本調子で進行する演劇的手法から少しは映画的ということを意識されたのか、浅野忠信のエピソードなど「脇へ一旦それる」膨らませ方は楽しめる。
大嘘話し、おとぎ話です、ところどころの無理くりは目をつぶって、というスタンスは相変わらずだがこれまでの作品の中では「ラジオの時間」以来のクオリティか。中井貴一が凄い。名演。
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村