映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「裏窓」監督アルフレッド・ヒッチコック at TOHOシネマズみゆき座

 1954年作品。リマスターニュープリントによる上映。
 しかしそれでも物や人の輪郭が浮いたような感じになっているが致し方ないのであろう。
 実は劇場で観るのは初めて。今では考えられないオールセットもさることながら、あらためて感じ入ったのは台詞、ダイアローグの見事さ(脚本ジョン・マイケル・ヘイズ)。説明台詞を避け、本質を忍ばせたウイットに富んだ台詞の応酬は観ていて聴いていて陶然とするぐらい粋だ。劇伴ではない劇中のピアノ楽曲の使い方も粋で粋で。
 日本は足元にも及ばず、欧米に於いてもこれだけ洒落っ気と粋を散りばめた映画はもうない。映画製作自体にアソビゴコロの余裕がない時代になってしまった。


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