映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「人生はビギナーズ」監督マイク・ミルズ at シネリーブル神戸

2003年のアメリカ西海岸が舞台。オリバー(ユアン・マクレガー)なる38歳の男の独白から始まる。癌で母親を亡くし、その後父親(クリストファー・プラマー)が齢75歳にしてゲイ宣言。恋人募集広告を出し、若い恋人やゲイ仲間が出来て「これから生きたいように生きる」と謳歌するものの癌で余命幾ばくか、と宣告されてしまう。父親の介護をしつつ、父がゲイだと知っていた少々風変わりな母親のことを回想するオリバー。どうやらこの母親の影響が強烈でオリバーには長らく恋人が出来なかった。父親を看取った後、天涯孤独になったオリバーはある仮装パーティでノドが悪くて声が出ないというアナ(メラニー・ロラン)と知り合う…というお話し。時系列を順序立てて書いたが、本編ではこれらのエピソードが過去と現在で行きつ戻りつする構成。父の死はかなり後半で描かれる。
オリバーはイラストレーターで様々なイラストが織り交ぜられ、時にスチールのコラージュが効果的に使われる。そして何といっても愛犬アーサーくん(本名はコスモ)とのやりとりの絶妙。全体的に映像デザイン優先で画柄は実にスタイリッシュ、そして軽い。フランスから迎えられたメラニー・ロランは魅力爆発、恐らくミルズ監督も魅入られてしまっていたに違いない。久しぶりにカッコいい映画。佳作、お勧め。



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