すわサム・ペキンパーの「キラー・エリート」('75)のリメイクか、と映画マニアなら思う筈だがさにあらん、事実に基づく原作のある全くの別物語。
とはいえ、オープニングは1980年のメキシコ。メキシコと言えばペキンパー、ペキンパーと言えばメキシコである。マッケンドリー監督はそれなりの敬意を捧げたのかも知れない。そのメキシコでの仕事で大怪我をした殺し屋ダニー(ジェイソン・ステイサム)、あわやのところで先輩格のハンター(ロバート・デ・ニーロ)に助けられる。その一年後、ダニーは殺し屋稼業から足を洗ってオーストラリアで恋人と暮らしていたが、そこへハンターが中東オマーンで囚われの身になっていることが知らされる。命の恩人ハンター救出の為にオマーンに渡るダニー、ハンターはある石油富豪に軟禁されていて、ダニーは彼の身柄と引き換えにあるミッションを打診される。それは富豪の息子3人を殺した英国特殊部隊SASのメンバーを特定して殺害せよ、それも全て事故死に見せかけよというもの。ダニーはかつての仲間を集めてミッションを遂行しようとするが彼等の前にどす黒い組織が立ちはだかる…というお話し。
見終わってからオマーン内戦への英国SASの介入について検索してみて納得。不見識でこの紛争について知らなかった。勿論背後には石油利権があることは自明の理。しかしやたらと国を移動する割には壮大なポリティカル・アクションという風でもなく、キレの良いガン・アクションがてんこもり、という訳でもない。そんな中、ロバート・デ・ニーロは砂塵にまみれてサブマシンガンを撃ちまくる。スクリーン上で世界一サブマシンガンの似合う男だと惚れ惚れ。地下鉄のホームでサイレンサー銃を構えて狙った相手を百発百中でしとめるし。もうすぐ70代だと言うのに(1943年生まれ)こういうBテイストなオーストラリア映画に嬉々として出演している役者魂に敬服。
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