- 出版社/メーカー: Happinet
- 発売日: 2019/03/02
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1968年日活作品。ビデオもDVDも未発売、どうしても見たかった1本。
原作は「企業防衛」なるタイトルなのに「経営学入門」となっているのは1966年の今村昌平監督「"エロ事師たち"より 人類学入門」の姉妹編という意識だと想像される。何せ脚本は今村昌平、主演は「人類学…」と同じ小沢昭一、シチュエーションは違えど同じ大阪が舞台の性風俗ネタである。'68年前後というと今村監督は沖縄で「神々の深き欲望」を撮っている。ひょっとするとこの「ネオン太平記」は新人磯見監督に「任せた」のかも知れない。
なんと桂米朝師匠と小松左京氏がアルサロにしけこむシーンから始まる。そのアルサロ「オアシス」は「人類学…」とは正反対のモーレツ(死語)店長小沢昭一が切り盛りしている。店長は妻子がありながら子供を籍に入れたがらず、店の女のコにはモテモテ。折しも「第二オアシス」開業の計画が持ち上がるが、「文教地区」(ロケ地は守口駅前!)故に地元の反対運動が起き…というお話し。江戸っ子小沢昭一の大阪弁は「人類学…」に引き続きこの人特有のもの。おかしくはないが正しくはないという、これはこれでひとつの芸である。加藤武の京都弁のゲイ、西村晃の文人兼振り付け師…アクの強い演技の面白さ。極めつけは渥美清のオカマママ、登場して1秒で圧倒的存在感、場をさらう可笑しさ。冒頭からピンポイントなゲストの芸の数々で笑わせるがかしまし娘だけはどうにも無理矢理な印象。
前半裏テーマとしてある「戸籍」は、後半飛んでしまって御堂筋ホステスマラソンのドガジャガで終わる。あのホステスマラソン、撮影大変だっただろう、画面下手にキャメラマンが見切れているカットあり。今村流のねちっこさはないが40年以上前の大阪の風景も楽しめる。