映画的日乗

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「きっと ここが帰る場所」監督パオロ・ソレンティーノ at シネリーブル神戸

アイルランドの豪邸で消防士の妻と暮らすシャイアン(ショーン・ペン)。かつては世界的ロックスターだったのだが、音楽を捨て株取引の世界で生きる。折しも30年音信不通だった父親が斃れ、シャイアンはNYへ。そこで彼はかつてアウシュビッツ強制収容所で父が辛酸を嘗めた経験を知る。父を苦しめたナチの戦犯は米国内に潜伏しており、シャイアンはその男を捜す旅に出る…というお話し。
映画全体を強烈なデザイン優先のルックが支配している。そこに加えて白塗りにルージュのショーン・ペンの性別を曖昧にするような話し方、所作。厭世的な彼が突如執拗なまでに戦犯を追いかけるようになる内面の不可解。ショーン・ペンの独壇場、彼にしか体現し得ないキャラクター。ナチ狩りもののサスペンス映画というジャンルからはほど遠い、イタリア人ソレンティーノ監督のアーティフィシャルぶり。
ショーン・ペンフランシス・マクドーマンド、そしてハリー・ディーン・スタントンといったアメリカを代表する俳優達が、イタリアとフランスとアイルランドの合作で顔を揃えるということは、彼等が今本国アメリカで仕事をしにくい状況にあるのではと想像する。あるいは彼等が「そそる」企画は今や欧州でしか成立し得ないのか。
是非論を呼ぶであろう衝撃のラストを眺めつつそんなことを考えた。


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