映画和日乗

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「アウトレイジ ビヨンド」監督・北野武 at OSシネマズミント神戸

製作が1年遅れての完成。
冒頭から政治家とヤクザの蜜月を描いて痛快、綺麗ごとに終止するだけになってしまった邦画メジャーで「やってみろこのヤロウ」なイントロに身を乗り出す思いで引き込まれる。
KITANO BLUEと形容される青みががった色彩に白い光が差す。撮影所のセットなのかロケなのかはいざ知らず、ヤクザ達が集う密室に天井から差す白色灯の光が悪人達の貌の彫りを際立たせ、眼光がいや増す。
この「アウトレイジ」第2作、他の北野作品に比べて脚本構成がきちっとしていてその内容は所謂ヤクザ映画のパターンとは一線を画す。想像だが、そこには北野武監督の人生経験と知識が横溢しているのであろう「画に描いたようなヤクザ」は出て来ない。バッティングセンターのチンピラが工員を脅すシーン、あの空気と演出はこの監督の独壇場。
また、下手に壁や土手のある縦の構図がしばしば出て来る。刑務所の前、抗争、暗殺のショット。この繰り返しが、意図はともかく映画全体のフォルムを決定づけていて、美しい。
緊張と緩和のリズムも絶妙、爬虫類的風貌の石原(加瀬亮)の突っ張りぶりも「こいつヒドい殺され方するな」と予感させる繊細な演出。
喧しいヤクザ達の中で一人ひと言も台詞を話さない高橋克典、素晴らしい。
全く売れずに荒野と化した神戸ポートアイランド第2期がロケ地、無能な市長と汚い政治家と役人と土建屋が結託して作ったこの無意味な人工島、悪人達の殺し合いの舞台に実にふさわしい。
面白いです、お勧め。


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