映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜」監督ダニエル・コーエン at シネリーブル神戸

パリの三ツ星レストランが三ツ星陥落の危機にさらされる。老舗のフレンチレストランも時代の流れで大手商社の傘下にあり、料理のイロハも分らない若社長からメニューも店の内装も変えろと圧力がかかる。シェフのアレキサンダー(ジャン・レノ)はひょんな偶然でアレキサンダーの料理本を信奉する料理好きの臨時雇いのペンキ屋ジャッキー(ミカエル・ユーン)を自らの厨房に招く。彼の作り出す料理は、嘗てのアレキサンダーの舌と腕を彷彿とさせるものだった。ミシュランの評価委員がやって来る日時が分り、時代の流れに乗り遅れていると見たジャッキーがイマ風のコンセプトを取り入れようと試行錯誤をするが…というお話し。
出足は快調で、食を巡る近代化、グローバル化が文化を破壊しているのは洋の東西を問わない事が良く解る。料理を巡る知識の披瀝も楽しく、流石はフランスと思いきやどうもドタバタが過ぎる展開になって行く。例のトヨタドラえもんCMの影響か、ジャン・レノの周りには日本人が関わり挨拶も日本語を使ったりする辺り、食文化先進国の日本への敬意も感じられなくもないがサムライゲイシャなんだな相変わらず。一方、スペインの「エル・ブジ」への敵意は相当なものでフランス料理の威信を賭けて喧嘩を売っている感じ。
老舗三ツ星レストランのシェフにしてはプライドが低く、がさつ過ぎ。そもそもミシュランの評価委員ってあんなバレバレで訪問するのか?
全体的にベタなコメディ、伏線も意外性はないが90分弱楽しむ分には罪のない映画。


El Bulli


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