映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「二郎は鮨の夢を見る」監督デイヴィッド・ゲルブ at テアトル梅田

言わずと知れた銀座の名店「すきやばし二郎」のご当主小野二郎氏を中心に描いたドキュメンタリー。監督はNYメトロポリタン・オペラの総裁ピーター・ゲルブの息子、ということでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に乗って、慇懃なスローモーションで捉えられたまるで舞うように鮨を握る手からこの映画は始まる。劇中、山本益博氏がいみじくも語るように「まるでオーケストラ」「シンフォニー」の如し。何か偶然にして貴重な一瞬が捉えられている訳ではない。「究極のシンプル」の美と音楽との融合をこそ主眼にしている。築地市場の鮪のセリのシーンにアフリカ風の打楽器を乗せるとあら不思議、ぴったりとリズムが合う。技能の継承問題、乱獲による魚の質の低下、減少、あるいは絶滅の危機にも触れられるが、二郎氏この時85歳、いずれ消えてなくなる儚さもまた美、この映画はそれすら内包しているかのような甘美さだ。


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大阪市北区内某所で映画企画打ち合わせ。


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