映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「あの頃、君を追いかけた」監督・九把刀 at 梅田ガーデンシネマ

1994年の台湾、彰化縣の私立高校が舞台。5人の、育ちの良さそうな、大した悪戯をするでもない性欲の固まりのような連中とひとりのマドンナを巡る10数年を描く。監督の九把刀は小説家出身、ラストで小説家になっている主人公からして彼の青春時代そのものなのであろう、何といっても屈託のなさが魅力。才媛とアホ悪ガキの恋も「愛と誠」と正反対で、彼女好きさにアホが素直に勉強をするあたりが可笑しい。脚本がクドカン調というかエピソードの羅列で進行して行く為、さほど伏線があるでなし平板になりそうなところをベタなギャグやポップスで盛り上げる。どうということないんだけど、何故か爽やかな気分で劇場を後に出来るのは、こちらとの共通体験の記憶を刺激するからであろう。