1975年東映作品。
松竹がホームグラウンドの森崎東監督唯一の東映、しかも京都撮影所作品。
ストリッパー達とヒモの群像劇。ドガジャガな印象だがキャラクターははっきりしているし、何よりスピード感と画面に広がる「こんな映画を撮りたい」という喜びに満ちている。折しも日活ロマンポルノ全盛期でもあり、松竹では撮り得ないハダカがここ東映で実現、芹明香というキャスティングも神代辰巳や田中登といったロマンポルノの監督作品を充分意識したと見て取れる。工藤栄一&深作欣二監督の怪演も楽しい。渡瀬恒彦がカメオ出演、見間違いでなければ一瞬汐路章の顔も見える。ビールでも飲みながらワイワイ楽しく撮ったんじゃないかと想像してしまう。
番組を埋める為に企画を立てなければならなかったプログラムピクチャーが機能不全に陥っていた時代の徒花のような映画。聾唖者の描写がひっかかるのだろう、ビデオ化DVD化は未だされていないが、アタマの先からシッポまで森崎東の方法と思想に彩られている。