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「舞妓はレディ」監督・周防正行 at 東宝関西支社試写室

周防正行監督最新作、舞台は京都だがオープンセットのミュージカルシーンから一気に作り込まれた「京都のように見える」虚構の世界へ引き込む。緋牡丹博徒のお竜さんの寸劇の後に富司純子が登場、映画を愛するお客さんに存分に楽しんでもらいたいという粋なオープニング、そのお竜さん、もとい富司純子演じるお茶屋の女将さんが話しているお相手が言語学者とはこれいかにと思いきや、その後に登場するヒロイン(上白石萌音)が鹿児島弁と津軽弁を話すことを瞬時に判定するという仕掛け。後はもう「マイ・フェア・レディ」('64)を確信犯的下敷きに、大体読めてしまっている結末まで決して飽きさせない。「Shall we ダンス?」('96)のセルフパロディも楽しめてお腹いっぱい。強引な筋立てを工夫のない演出で見せる舞台劇調のコメディとは技量が圧倒的に違う。
上白石嬢の歌唱力が存分に生かされ、これ以上ないデビュー作だろう、この幸運はそうあることではない。
佳作、お勧め。9/13公開。




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