映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

「インターステラー」監督クリストファー・ノーラン at TOHOシネマズ西宮

人類滅亡の危機、というのはハリウッド映画に於いてしばしばお手軽に選択されるモチーフであり、殆どの場合米軍とそれに類する集団かスーパーヒーロー、そして神によって救済される。今作に於いてそんな愚を犯す筈もないノーラン監督は「見たこともないアプローチ」というハードルをその知力と体力で乗り越えた。ここには神が出てこない。それだけでも溜飲を下げる思いだ。
近未来、軍隊が消滅しているというアメリカ国家、なのに営々と映画で描かれてきた旧き良きアメリカを思わせるコーン畑と家屋、トラック、そして人々。この後に宇宙に行ってからもそうだが、プロダクション・デザインはむしろ徹底して古めかしい。なのでこの「時代」が全く読めないまま物語は始まる。重力のバランスが崩れ、砂が雨の様に振って来る世界。何故か秘密基地のようなNASAは、現代ほど重要な施設になっていないという設定。ワームホールブラックホール相対性理論量子力学。どれひとつきちんと把握出来ない私だが、ともかく人類を宇宙の彼方、銀河系の更に向こうの世界に移住させるか、さもなくば「種」を送り込み、人類の保存を試みるか。この過酷なミッションを実行する為に主人公達が家族を置いて宇宙に旅立つことになることは理解出来る。そしてその先の「見たことのないアプローチ」が脳幹を揺さぶり、まるでトリップ状態に陥ってしまった。霊的現象、DNAと「愛」。これからも何度かこの映画に回答を求める為に問いかけることになるかも知れない。
傑作、必見。


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