何年かに一本、抱きしめたくなるような愛すべき映画に出会うが、これがそれだ。つらつら思い返すに「ローラーガールズ・ダイアリー」('09)以来だろう。
話はなんてことないが、監督の音楽への造詣の深さと映像センスの良さで見せ切ってしまう。グレッタ(キーラ・ナイトレイ)の素朴な歌声に乗って風のようにNY各地を舞うキャメラ。登場人物の喪失感は観る者の人生にリンクして心を揺さぶる。やや長めにカット尻を残すのが情感となっていて堪らなく素敵。おっさんプロデューサーのダン(マーク・ラファロ)とグレッタの、街角での別れの視線の交わし方に陶然と痺れた。
音楽について知りたく、久しぶりにパンフレットを買う。勿論サントラも。
傑作、お勧め。
- アーティスト: サントラ,セシル・オーケストラ,ヘイリー・スタインフェルド
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2015/01/21
- メディア: CD
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