ベルギーのダルデンヌ兄弟監督最新作。
ソーラーパネルの工場に勤務していたサンドラは、鬱病で休業していたが、快復して職場復帰しようとしていた矢先、工場主任からリストラを宣告される。それも、現在勤めている16人にボーナスを出すか、サンドラが復職するかを従業員の投票で決めるという。サンドラが復職すれば16人に千ユーロのボーナスは出ない。サンドラは夫と共に月曜の投票までの二日間で16人を説得して回る‥というお話し。
例によって例の如く、ベルギー社会の過酷な労働状況をあぶり出す。高い失業率、過酷な労働条件。投票でリストラを決めるという点を除けば我が国にも当てはまる問題であろう。
例によって主人公について回るかのような手持ちキャメラ。そして今回は1シーン1カットを多用している。ダルデンヌ兄弟の映画では珍しくスター、マリオン・コティヤールが主演しているが彼女なくしては成立しなかったであろう企画であり、彼女でなければこのしつこく従業員の家を回るだけの構成の脚本は退屈なものになっていたと思う。ただダルデンヌ兄弟の仕事をずっと見続けて来た者から言わせると、ひとつのカットの見せ方が最早ルーティーンになってしまった感がある。絶望と微かな希望という「いつもらしさ」に照らし合わせると、展開が読めてしまうのだ。
カーラジオの使い方(音楽の使い方)には感心した。
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