映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ブラックハット」監督マイケル・マン at Cinema KOBE

マイケル・マンの映画なのに、あっという間にシネコンから姿を消し、ようやく新開地の劇場で観ることが出来た。幼稚な邦画に群がる低民度な連中のせいでこのような傑作が隅に追いやられている情けない国に成り下がった。
本作の主舞台は香港、マカオ、後半はマレーシアとインドネシア。流暢な英語を話し、しなやかなアクションをこなす中華圏の俳優達が準主役なことを取っても我が国の映画人の、世界規模のエンタティンメントへの道は遥か遠いと言わざるを得ない。 
閑話休題、ここぞというところの銃撃戦の見事さはペキンパー亡き後マイケル・マンが当代一、香港の市街でどうやってあんなロケが出来るのか、この人の専売特許でもある。音楽のセンスも相変わらず素晴らしい。レバノン内戦の戦士という設定の最強テロリスト役リッチー・コスター怖い、好演。
いま世界で起きていること、を描いた傑作。必見。