映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「黒衣の刺客」監督・侯孝賢 at 神戸国際松竹

短編オムニバスを除けば8年ぶりの侯監督作。
モノクロ、スタンダードで始まるので、この回想が終われば画角が変わってカラーになるだろうと思いきや、画角は変わらず色だけが変わった。話が呑み込めず、唐突に現れる人物関係もよく分からないが、要は舒淇が暗殺の命を受けた相手がもと婚約者、という心理的葛藤が描かれて行く。頑固一徹、兎に角美しい画にこだわり、詩的な風景が延々続き、時折舒淇の剣術アクションが挟み込まれる。あまり暗殺者の悲哀は感じられない。映像を陶然と見守るしかないが本年カンヌ映画祭監督賞。


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