映画和日乗

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「92歳のパリジェンヌ」監督パスカル・プザドゥー at シネリーブル梅田

原題は"The Final Lesson"。尊厳死がテーマの作品に厳粛なムードを避けたかったのか内容と合致しない(そりゃ確かにパリジェンヌだけどね)邦題。
洋の東西を問わず現実的な、そして極めて原題的な終末についての思想、それは「自分でできることがなくなったら死ぬ」という哲学。マルト・ヴィラロンガ(実年齢は本年で84歳)演じるマデレーヌはそれを家族に宣言し、実行に移すまでの日々を描く。フランスのジョスパン元首相の母親のエピソードが元になっているという。
プサドゥー監督は女優出身、オーソドックスで分かりやすい演出ぶり。娘役のサンドリーヌ・ボネールは「愛の記念に」('83)のティーンエイジ時代ファンだったが素晴らしい役者になったものだ。アメリカでも日本でもリメイク可能、お国柄も出て面白いだろう。