映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「台湾萬歳」監督・酒井充子 at 元町映画館

「台湾萬歳」公式サイト

台湾三部作、三部作ということはこれが最終章なのか。
今回は台東縣の成功鎮という漁村の、原台湾民族に焦点を当てる。

一様に日本語を話す老年層と、カタコトのその子の世代。しかし、若い層になるとそれはない。

漁も狩りも土地の神に祈る儀式が興味深い。我々が今住む世界の、ほとんどがどうでもよかったり、下品で醜い憎悪や暴力だったりする情報の渦から一切遮断されたような澄んだ時間の流れに作者酒井監督がどっぷりとつかっている。日暮れ、犬の鳴き声、子供の笑顔、正月、歌。観ている我々もその時の移ろいにうっとりしてしまう。特に何かが起こるわけではない。しかし映画の中に人が生きていて、笑顔で、幸せそうなのだ。そこが良い。

 

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