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「キングスマン:ゴールデンサークル」監督マシュー・ヴォーン at 109シネマズHAT神戸

www.facebook.com007シリーズの亜流と見なされていた0011ナポレオン・ソロシリーズの主演を務めたロバート・ヴォーンの妻の連れ子マシュー・ヴォーン監督。忸怩たる思いがあったのかそれとも環境がそうさせたのか、キングスマンなるウラ007を創造する。映画的センスの良さと英国流の言語センスで魅せ切った前作に続く第2弾。007なら「ロシアより愛をこめて」に相当する位置付け、かと思いきやコメディに重心を置いている。

 「キック・アス」('10)以来ヴォーン監督の専売特許のような早送り調CGアクションは流石にこちらも目が慣れて食傷気味。それよりも今作で魅せたのは彼のアメリカ映画愛。麻薬王ポピー(ジュリアン・ムーア)のアジトはカンボジアの奥地、そのセットデザインは「地獄の黙示録」('79)愛に満ちている。その中にダイナーとボウリング場を設営ってこれはムーア姐さん出演の「ビッグ・リボウスキ」('98)、人間ミンチは同じくコーエン兄弟監督の「ファーゴ」('96)を彷彿とさせ、「リボウスキ」主演のジェフ・ブリッジスがステーツマンなるウラCIAみたいな組織のボス。その手下のウィスキー(ペドロ・パスカル)の出で立ちは往年のバート・レイノルズそっくり。というかステーツマンのイメージがレイノルズ主演の「トランザム7000」('77)に描かれる典型的ヤンキーに由来しているように見える。

山スキーゴンドラアクションと無駄に豪華なキャスティングのハル・ベリーは007への目配せか。いつの日かマシュー・ヴォーン監督の007が実現することを願って止まない。


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