映画的日乗

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「女は二度決断する」監督ファティ・アキン at シネリーブル神戸

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 ドイツ、ハンブルク。トルコ移民の夫を持つカティヤ(ダイアン・クルーガー)、仕事場の夫に子供を預けて友達とサウナに行っている間に数分前にいた仕事場が爆弾テロに合う。夫と子供は即死、犯人はネオナチの若いカップル。実行犯は女の方。程なく逮捕され裁判が始まる。

 カティヤのキャラクターをただ復讐に燃えるお母さんにしなかったところが面白い。ドイツ人とトルコ人の夫婦、結びつけたのは麻薬だった。夫が服役中に獄中結婚。カティヤの母親の仏頂面からこの親にしてこの子ありのバックボーンが匂う。そしてファミリー全員が異様なヘビースモーカー。

 裁判が始まる。すきっ歯で眉間に傷のある被告側の弁護士。この弁護士のアクの強さからなんとなく判決が読める。案の定無罪判決。

 この後のカティヤの行動がどうも浅はかで「もう少し考えろよ」と言いたくなる。凡庸なる市民の行動としてはリアリティがあるとも言えるが。な・の・に!ラジコンカーの修理が出来る(という伏線)だけであんなにすぐアレ(ネタバレになるので伏せる)は作れんだろう。ラストもまた私は全く違う展開を想像していた。アレがあったらもう少しいろんなこと出来るだろうに。「太陽を盗んだ男」('79)のように。ってネタバレか。

 とまれ、そんなラストはドイツにおける移民の人権問題が深刻で手詰まりであることの象徴、とも読める。