映画的日乗

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「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」監督ウディ・アレン at シネリーブル神戸

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 原題にはAが付く。つまり一日の話。厳密には一晩を跨ぐ二日間。
NYが舞台で一日の話は他にも「アフター・アワーズ」('85)「ジャグラー・ニューヨーク25時」('80)なんてのもあった。「ジャグラー」はソフト化を強く望む。
 さて本作、始まってすぐストラーロのデジタル4K撮影に息を呑む。主人公のナレーションの内容が頭に入って来ない位に美しい。MoMAの前での「狐の嫁入り」的光の差し方に慄然。
50年前に「暗殺の森」('70)撮った人が現役でここまでやっていることに敬服。
本作は現状、本国アメリカでは公開できない。2017年撮影。
今この時期に観ると美しい秋のNYの風景に戯れる男と女が全て愛おしい。
どうということない話しだが、テーマは「身の丈を知るということ」ということ。
2017年に敢えて観光ガイド丸出しのスタンダードなNYをとらえたアレン、その後の世界は予測だにしていなかっただろうけど、そんな一本を作りたかったモチーフが永遠の輝きを放つ。3年前に既にもう二度とNYで撮れないかも知れない、そう思ったのかも知れない。
キャスティングは完璧。主人公の男の子のお母さん役、シェリー・ジョーンズが凄い。登場するなり目一杯ゴージャスなのに明らかに品が無い。そんな彼女が息子が連れて来たGFに自分と同じ種類の匂いを嗅ぎつける。巧い。
心に沁みる佳い映画たった。佳作、お勧め。
IMDbによると次回作はサンセバスチャン国際映画祭が舞台。

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撮影は三たびストラーロ!公開が待ち遠しい。