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「プラスチックの海」監督グレイグ・リーソン at アップリンク京都

www.netflix.com 本作を観終わってからこれがNetflixに既に入っている事を知る。2018年の作品。

 映画館で観るには画質が追いついていないフッテージも見受けられた。

 とまれ、本作の監督グレイグ・リーソンが少年時代から憧れたクジラの海中撮影から一転、海中から海面を見上げるとそこに浮かんでいるプラスチックのゴミへとテーマは移るオープニングは鮮やかだ。

 リーソン氏は世界各地へと飛びプラスチックによる海洋汚染、とりわけ深刻なのは生物がプラスチックを呑み込んで起きる事態だ。

 クジラは呼吸困難を起こし、鳥は腹一杯にプラスチック片を抱えて飛べなくなってしまう。石油化学製品故、燃やすと有害な煤煙を発生させ燃やさないと海中に堆積してしまう。それぞれの問題に向き合うのはほとんど女性の研究者である。

 レジ袋有料化で大騒ぎになっている日本だが世界全体のプラスチックゴミの再利用はまだゴミ全体の7%に過ぎないと言う。 

lessplasticlife.com リーソン氏は外食で買うサンドイッチやコーヒーのプラスチック包装とストローを取り除くよう各々の店の店員にリクエストする。チェーン店の従業員に言ったところで無理な話だが、理解を示す店長も現れる。こういう突撃取材は時として対立を生む諸刃の刃だが反発する店員は出てこなかった。勿論、いたけどカットしているのかも知れない。日本だとどうだろう?クレーマー扱いか。

 フィリピン、マニラでは有害物質を融和して水に還元する植物を栽培することに成功している。ドイツではペットボトルの回収とリサイクルを推進している。

 本作は現状認知の為の啓発映画であることは自明だ。問題点はよく分かった。プラスチック消費は最早無意識の領域で日常化しているが意識的にそれを切り替えていけるかどうか、だろう。

 原題「A Plastic Ocean」、Aが付いているところが肝要。海は一つ。