映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

                         

「ベイビーわるきゅーれ」監督・阪元裕吾 at 塚口サンサン劇場

babywalkure.com  女子高生で殺し屋、コミックかアニメのような設定だが、マカロニウェスタン並の仮構世界を目指す構築力が強靭なのでシラケずに向き合える。

 ボソボソと時に何を言っているのか聞き取りにくい、更にイマ時の語彙なので何を言っているのか分かりにくい伊澤彩織だが(勿論それも演出だろう)、それを補って余りある身体能力が武器。

 一方の高石あかりはむしろ環境適応能力抜群の器用さ。このキャラクター分けが秀逸。気の合う会話、性格の違いから生じる亀裂、そこからの関係修復で協働、決戦への流れも小気味良い。

 凡億千万の高校生が自転車に二人乗りするカットが必ずあるような邦画の群れに風穴を開ける痛快さ。一方、対峙するヤクザ達は北野武監督の影響を感じる。

 惜しむらくは彼女達の武器がモデルガン丸出しでチャチなこと。ワルサーPPKを指で摘んでるカットがあったがあれは興醒め。

 とまれ、久しぶりに感心した邦画、洗濯機や冷蔵庫からのアクロバティックなカットも楽しい。エンドロールの後のワンカットで不覚にも感動した。

 阪元監督これから売れるだろう、韓国資本でアクション映画希望。

 佳作、お勧め。