毎年恒例の市民講座での講演。近年の自作の製作過程を中心にお話しする。
最近の映画はどうして2時間を超える長尺なのか、退屈で訳がわからない、との受講生からのご質問。
映画には物語に必要な長さというものがあり、20世紀のイタリアの歴史を語るのに5時間20分かけたベルトルッチ「1900年」('76)や同じく20世紀のギリシャの歴史を4時間で描いたアンゲロプロス「旅芸人の記録」('75)には妥当性がある。
受講生の方がどのような作品を指して仰ったのかは定かではないが、私は「それは作り手がヘタクソだからです」と答えた。