
第21回大阪アジアン映画祭の目玉上映作品。
今年だけ年2回映画祭をやるのは勿論大阪・関西万博2025の開催に合わせて予算が下りたからであろう。このEXPO'70を活写した幻の作品を発掘レストア上映したのは嬉しい限り。どうしても観たいと思っていた。
この記事に「外国での上映は実現しなかった」とあるが、冒頭のジュディ・オングの舞踊(サイケだ)、歌唱シーンの楽曲が全部洋楽のコピーで、これ無断使用だと思う。BGでビートルズも使われている。
台湾以外で上映できなかったのはこの点が影響しているのでは。今回の映画祭上映は権利をクリアしているのだろう、貴重という事だ。多分この楽曲の問題で配信は難しいのではないか。1970年前後はまだ歌謡映画のジャンルはあって、この手の映画は他にもあったが洋楽は使えなかった。
戦後日本に暮らす台湾人に台湾からの援助があった、というのは私が映画化した「ママ、ごはんまだ?」の原作者・一青妙さんからも聞いていた話。
ジュディ・オング扮する雪子が自分と家族を援助してくれている謎の人物を探す為に大阪万博のコンパニオンに応募する。中華民国館でコンパニオンをしながら片端からその人の名前を尋ねると四人目くらいのおじさんが「ああ林さんなら知ってるよ」という無茶苦茶な展開。雪子の彼氏の哲男君は父親が心筋梗塞で苦しんでいるのに「パパ、大阪に行かせてくれよう」と駄々をこねる非情大学生だったり、とにかく雪の北海道を映したいだけの無理矢理な筋運びだったりとツッコミどころは満載。日本人も全員中国語を話す(一部は吹き替えだろう)のでところどころ区別がつかない。蒋介石への賛辞が挟まれるのも時代だな。
行き当たりばったりな脚本だが、それを補って余りあるEXPO'70の臨場感あふれる35㎜フィルム映像と'70年前後の近畿地方各地のロケ映像。これは唯一無二だろう。
2025万博の各パビリオンの国名の表記が'70のそれと同じロゴデザインなのは感慨深い。尤も2025万博には中華民国館はないが。
とにかく観られて良かった。万博のおかげ。
入場時、こんな素敵なステッカーを貰った。「もう恋なんてしない」ってあるけど、ラストは哲男くんとハッピーエンドだった。
