映画的日乗

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「浜の朝日と嘘つきどもと」監督タナダユキ at テアトル梅田

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公式サイト

 公式サイト、スタッフに照明技師の名前があるのにキャメラマンの名前が無い。何か事情があるのか。

 福島県南相馬市。本編の舞台になる朝日座は実在する映画館らしい。

朝日座を舞台とした映画「浜の朝日の嘘つきどもと」/南相馬市公式ウェブサイト -Minamisoma City-

 フィルムの端切れを燃やしている館主(柳家喬太郎)、やって来たヒロイン・浜野あさひ(高畑充希)がそれを制止、奪ったフィルムのコマを見て古いサイレント映画のタイトルを言う。映画マニアであることを示しているのだろうが、それは淀川長治レベルじゃないだろうか。

 閉館を決意した館主だが、何故か懸命に存続を訴えるあさひ、その理由が徐々に分かって来るという構成。

 チラリとのぞく女の本音が絶妙に面白いのがタナダ監督作品の最大の魅力で、本作では好きな男には滅法だらしないが、己の感覚に忠実な教師・茉莉子(大久保佳代子)が可愛くてカッコ良い。

 真理子はあさひに映画が好きになるきっかけを与え、その後の彼女の心の拠り所になるまさしく恩師の理想形。本作には過去の日本映画が何本か登場するがこの恩師の存在というのも日本映画の重要なモチーフだなと気付く。

 登場人物の家族が皆離散していたり、未成年者略取誘拐、入管法など現代事情を細かく盛り込む一方、コロナ禍が語られるのに誰もマスクをしないで映画館に入って行く瑕疵も。

 カットを割らずにツーショットの芝居を間合い良く見せる面白さはあるが、ラストの大団円は唐突。

 最後に竹原ピストル、顔見せゲストかと思いきや「後日談ドラマ」の主役らしい。

「浜の朝日の嘘つきどもと」福島中央テレビ開局50周年記念オリジナルドラマ