「見はらし世代」(2025)の団塚唯我監督がスチール担当と車輌部でクレジットされている。
見終わってナイジェリア難民について検索してみる。
また、入国管理局内での自殺については
他にもいくつかの事例が上がっている。
本作は2022年の「マイスモールランド」と同じモチーフであり、個人の尊厳を「二の次」にするこの国の官憲システムへの一矢である。
映画を撮っている文子(中島侑香)とその被写体であり友人のユメ(LEIYA、好演)の楽しげな日常、一方職場を突然解雇されたユメには在留資格がなかった。二人の共通の知り合いにミュージシャンの船橋(丹野武蔵)がいて、ユメが歌い、船橋が演奏する。
何気ない、将来への夢も広がる若者三人が、ただの温泉旅行をきっかけに運命が反転する。ライブの終わりに「仕事は何してるの?」と訊かれた船橋が「一応公務員」と答える。この一言が実は重大という伏線が効いていて、姿形が全く違う船橋が入国管理局に存在している一瞬はスリリング。
船橋が官憲の鎧を纏うことで人間性を押し殺し別人格を装わなければならない「システム」が顕になり暴力的な国家が姿を現す。画面のルックはそこから突如殺風景となる。
殺風景とは殺された風景にあらず、ここでは風景が人を殺す。
悲劇のあとに鎧を脱ぐ船橋、再びカメラを手にして映画を作り始める文子。
国家権力の前に無力である事を悟るのか、それとも問題喚起するのかは描かれず、観客の想像に委ねる。
坂本監督が東京藝術大学大学院の卒業制作にこのテーマで挑んだことに敬意を表する。
上映後に登壇した坂本監督、大谷翔平ばりの好青年だった。