映画『風のマジム』公式サイト 9月12日(金)全国公開/9月5日(金)沖縄県先行公開
原作の原田マハの同名小説は未読だが、
実話がモデルになっているようだ。
映画が始まって画角がシネスコなのと、フィルムを意識しているようなルックに身を乗り出す。
お話しは単純で、結末も見えているのだがダイアローグの間合いの巧さと、衒いのない演出が終始好もしい。伊藤沙莉の演技が徹底して物語に奉仕していて、マジムさんのひたむきさ、フライング気味の行動力になんの嫌味も思いつかない。
マジムの上司(尚玄)の言う「簡単に謝るな、自信を持て」にシビれ、おばあ(高畑淳子)の「人の口に入るものは容易く作られるものではない」にそうだと頷く。おばあの豆腐を食べるマジムとの長い間合いの切り返しの力強さは秀逸。
ラムに詳しいバーテンダー(染谷将太、好演)が店で切らしているボトルを南大東島に送る伏線の回収もキマってお見事。
憎まれ役のシシドカフカの塩梅も絶妙、ラム酒づくりの企画がGOしてからのたたみかけ方はCM出身の芳賀監督、センス抜群。
撮影、音響秀逸、マジムの実家で使われている食器も素敵。
ネイティヴではないので沖縄ことばの正確さは分からないが、俳優は全員敢闘賞だろう。肥後克広は沖縄出身なんだね。
こんなに素直に全てを受け入れられる日本映画が嬉しい、タイトル通り薫風の爽やかさ。
シネスコはできるだけ大きなスクリーンで観た方が良い。佳作、お勧め。
飲んでみよ。

