↑この日本版公式サイト良いセンス
ウソみたいなホントの話しである。
観ている間は途中からフェイクだろうと思っていたが、IMDbのサイトを見たら、登場人物は全てSelf(本人)となっている。
もの凄くお金が掛かっているのに(NY-韓国ソウル-シチリアを何往復もしている)もの凄く画がチープなのが特色。
シチリアのええ加減な政治家や役人達が基本的に「どうでもええ」と思っている事をエキセントリックなNYの映画狂が執拗に追求して行く。
膨大なVHSとDVDをシチリアの倉庫から運び出し、NYの廃業したレンタルビデオ店を再現してそこに並べるというヘルツォークの「フィッツカラルド」('82)の船運び並みの無謀。
そしてかつての会員の会員権は生きていて、レンタルする事が可能。純情な映画愛、というより1980年代の映画環境の「時間よ止まれ」である。エターナルへの挑戦である。
映画は2023年の作品だが、ビデオ店は2025年の現在も現存するようだ。
膨大な珍作コレクションの中に我らが鈴木清順「悲愁物語」のDVDがしっかり映っていてなるほどこういうレベルの作品を扱っているのかと納得。
それにしてもニュージャージーの自宅で庭仕事しながら「ゴダールは神だ」と嘯くキムさんのキャラクターが強烈。ソウルでのビジネスミーティングで撮影スタッフに「私が映画業界にいたことは言うな」とか、この人自身が謎めいていて映画的。
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