
丹波市にある映画館で盟友の天野裕充監督の新作が上映されると本人から連絡があったので駆けつける。神戸市内から車で約70分。
上映前に天野監督から本作のプロデューサー宮崎恭一氏、同時上映の短編「コンティニュエイションズ」の監督岡部聡氏、ヱビスシネマ支配人の近兼拓史氏を紹介された。
寺山修司版の「草迷宮」('79制作'83公開)はビデオで見た記憶があるが内容は全く覚えていない。助監督が相米慎二だった。のちの「雪の断章」('85)は寺山修司の影響が仄見える。
それはさておき、それ以来のリメイク。こちらの方が原作に忠実とのことで、幼少時の記憶にこだわる青年と旅する僧侶の対話劇となっている。
淡々とした旅行きを豊穣なサウンドで厚みを付けていて聞き応えがある音作りだ。
蜘蛛女は大層気味悪く、ホラー風味も楽しめる。先日観た「遠い山なみの光」もそうだが、過去の記憶に拘りを持つと人は皆迷宮へと足を踏み入れてしまう。適当に「手放す」事も生きる上で大切なのだ。