映画『また逢いましょう』|2025年7月18日(金)より順次全国ロードショー!
この記事によると、大西礼芳ありきの企画だったらしい。
五月に大阪で見た舞台「トイ」のアフタートークで、「大阪NHK制作の朝ドラのオーディションに落ちた」と憤りながら語っていた大西礼芳。
憤りも宜なるかな、昨今一二を争う勢いのあるアクトレスだと思う。
本作も殆ど彼女の立ち振る舞いで成り立っていて、そこが見どころと言っても良い。
京都にある介護施設の様子、職員の仕事ぶりを丁寧に見せる。若手とベテランの世代間ギャップも赤裸々である。
そのベテランの方、中島ひろ子は「櫻の園」('90)で本作で脚本とプロデュース担当の梶原阿貴と共演している。
↑この本は未読だが、梶原の父は元俳優だったはず。
だから本作の中島ひろ子が元女優で、テレビに映ったドラマの俳優(田中要次)を娘が大西に「パパなの」とバラすのは実情に由来するのであろう。ちょっと笑えた。
他にも「スコセッシが映画化した『沈黙』」とか「内藤剛志が撮影に来てる」「科捜研かな」などの台詞に映画研究家たる西田監督と梶原の遊び心が窺える。
淡々と描かれていた福祉施設の生活ぶりが、後半、入所者の一人の死によって突如うねり始める。入所者の40代の元暴走族の女(田川恵美子)の人生を芝居にすると言い出す中島ひろ子。
ここで全体のトーンがガラリと変わる。いや変わってしまう。妙にはしゃぐ感じ。
田川恵美子が「障がい者目線の社会」がストレスにまみれているとの訴えがきっかけとは言え、中島ひろ子と大西礼芳の情動の変化がちょっと忙しない。
NHK「ドキュメント72時間」西柳ヶ瀬編に登場した介護福祉士の人々の飲み会には、明るい表情の中に鬱積した感情が仄みえていた。
特に季節を売っている設定ではないが画から推測するに夏のロケだったのだろう、本作の撮影監督の藍河兼一は去年秋私と「道草キッチン」を撮っていたので、その直前の撮影だったのかな。
