映画和日乗

映画、食、人。西に東に。

映画「道草キッチン」2025年11月公開  

「港のひかり」監督・藤井道人 at 大阪ステーションシティシネマ

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2017年の、本作と同じ木村大作撮影による「追憶」と言う映画がある。

同じ能登半島がロケ地、ストーリーもあらためて読み直してみると、本作と無縁とは思えない。岡田准一が出ている点もそうだ。「追憶」は東宝配給、本作は東映の違いはあるが。

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 2023年の11月、輪島にいた私は、本作に出演していた市村正親氏と東映のプロデューサーとこちらの寿司店で邂逅した。

 

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岡田タイガース日本一の夜である。

 

この酒席で、プロデューサー氏から本作の監督の名前も撮影技師の名前も知らされた。

市村氏は豪快な呑みっぷりで果たして翌日の撮影は大丈夫なのかと他人事ながら心配したものだ。

翌日の能登空港発羽田行きの飛行機の機内で撮影を終えた市村氏とまたしても邂逅したが、その時市村氏の隣にいたのが仲代達矢氏だった。

あれから二年。市村氏と呑んだ寿司屋は震災で跡形もなくなってしまった。一緒に行った民宿のオーナーも復興途上で喘いでいる。仲代達矢氏は先日亡くなった。

 

 そういう訳で本作「港のひかり」はどうしても観なければならない映画であった。

観てみると、輪島という地名は出て来ない。あんな大勢の組員のいるヤクザ組織がある町という設定は架空とはいえいやはや何ともはや、である。

それにしても、なんとも古式蒼然たる脚本であることか。

監督名が「降旗康男」になっていても納得してしまいそうだ。

縦書きのアバンタイトル、エンドロールは縦書きのまま上手から下手に流れるオールド東映スタイル。確信犯でやっている。

舘ひろしの役は、渡哲也か健さんか。高倉健ならもっと脚本を練ったのではないだろうか。

「蔵のある街」に引き続き本作でもMEGUMIの役どころがおかしい。12年のタイムラグで「ベンジャミン・バトン」(2008)みたいなことになっている。市村正親、流石にしゃんと(しているように見える)演じていて感心。

 

 失われた輪島の風景と、東映ヤクザ映画の盛衰をひたすら想うのみ。