新長田映画講座「神戸の映画 懐かしの風景vol.1」の一環。
1965年日活。ニュープリントで画質は良好。
先般観た同じく神戸ロケの日活映画「青春の風」が1968年。
「涙をありがとう」は神戸港から始まる。今より数段多くの船が行き来しているのが分かる。
須磨区の風景が多くフューチャーされていて、移情閣を望むカットが多数。
和泉雅子が通う学校は神戸高校らしいが今と風景が違うようだ。ジェームズ山辺りの洋館は素晴らしく、付近の山を削ったままの明舞団地造成前の高台に異様な豪邸があったのは興味深い。そこでドンパチの銃撃戦。
風景と、萩原憲治のキャメラワーク以外は見どころはない。
脚本は説明台詞に徹していてはっきり言って酷い。高橋英樹居るところ必ず偶然に、という事は必然的に西郷輝彦が現れる不自然は如何ともし難い。
演出はキレも何もあったものではなく、アクションも段取り芝居。
撮影助手に前田米造、助監督に藤浦敦の名前が。
歌謡映画特有の無理くり歌唱シーンを入れなければならない苦心が痛いほど伝わる。