2020年、大阪芸術大学制作作品。
監督は大森一樹を含め七人の名前が連ねられており、この日の上映後の大阪芸術大学関係者のトークイベントでどの部分がどの監督が担当したのか紹介されていた。
とはいえ全体の統括は大森監督であり、随所にその「らしさ」が反映されている。
「Wの悲劇」('84)を彷彿とさせる劇中劇と学内の人間模様のシンクロ、原一男監督の怪演、その原監督の著作「踏み越えるキャメラ」を手に朗読するゴダール調と「相変わらず」の引用とオマージュが随所に。
極め付けは大学のOBがかつて撮った8ミリ映画に「暗くなるまで待てない!」('75)の劇伴曲を付けての青春懐古。
制作のテーマが新入生のリクルーティングでもあるので学科の説明要素があるのは仕方がないが、それでも最後の最後まで自身を刻印した映画にこだわった事実上の遺作、大学を見下ろす山にかかった虹は映画を愛し愛された相思相愛の幸福感に満ちていた。
@_cinenouveau_ で#虹の彼方のラプソディ 大阪芸術大学制作、協同監督とはいえ事実上これが大森一樹監督最後の作品。劇中8㍉に#暗くなるまで待てない
— 白羽弥仁 (@makemydmitts11) 2023年3月25日
の楽曲が流れて最後の最後まで夢と青春と映画の人だったなと。アフタートークの芸大関係者の皆さんも異口同音にそう話す pic.twitter.com/esZI9eASRi