監督は「クリード チャンプを継ぐ男」(2016)の人、ただそれ以降の「ブラックパンサー」シリーズは未見。
出自にこだわる作風という点ではスパイク・リーよりはセンスが良いと思う。スパイク・リーはNetflixで見た「ザ・ファイブ・ブラッズ」が下品だった。
開巻、シネスコサイズで1930年代のミシシッピー。黒人貧困層が働かされている綿畑は「夜の大捜査線」('67)でも「グリーンブック」(2018)にも登場した黒人差別のアイコンでもある。
さて本作は彼らを横目にしつつ暴力でのし上がるヤクザ兄弟、禁酒法時代に廃工場を買い取って地下酒場をオープンさせようというお話し。
ところどころゾンビが映るフラッシュバックがありどう伏線回収するのかと観ていたらブラック・スプロイテーションからゾンビホラーへとジャンル横断。
個人的嗜好で言うと、ゾンビとか吸血ホラーにまるで食指が動かない。ジャームッシュの「デッド・ドント・ダイ」(2019)も全く乗れなかった。
穿った見方をすると、黒人のソウル、ブルースの真の音を探す旅、そしてKKKとの対決というクラシックなロードムービースタイル、あるいはBテイストのアクション映画では企画が通らなかったのかも。
歌や演奏、ダンスのミュージカルセンスは良いのに、なんともはや。
KKKをトミーガンでバリバリやっつける後半戦、これがやりたいクライマックスだったのだろう、そこは突き抜けている。ハル・アシュビーやジョン・ミリアスやウォルター・ヒルは時代が味方をしていたのか。